【知れば感動】なぜ七五三で千歳飴を食べるの?衣装や小物に隠された意味と歴史

子どもたちの健やかな成長を祝う「七五三」。華やかな着物に身を包み、千歳飴を手にした我が子の姿は、家族にとって一生の宝物になります。
しかし、七五三に登場するアイテムの一つひとつに、深い意味や歴史があることをご存知でしょうか。
今回は、伝統的なアイテムや衣装に隠された、親たちの切実な願いと歴史の物語を紐解きます。


千歳飴の長さの秘密! 親の願いが詰まった伝統菓子の由来

七五三の代名詞といえば、細くて長い「千歳飴」です。江戸時代、浅草の飴売りが「長生きする飴」として売り出したのが始まりとされています。

最大の特徴であるその「長さ」には、「細く長く、病気をせず、千歳(千年)までも長生きしてほしい」という、親の切実な長寿の願いが込められています。縁起の良い赤と白の2色が基本で、飴を入れる袋には「鶴亀」や「松竹梅」といった、こちらも長寿や繁栄を象徴するおめでたい絵柄が描かれています。

【必見】千歳飴はどうやって手に入れる?

千歳飴の入手方法はいくつかありますが、時期や場所によって注意が必要です。

  • 神社でのご祈祷でもらう:
    多くの神社では、七五三のご祈祷(お祓い)を申し込むと、お守りなどと一緒に授与品として千歳飴がもらえます。ただし、「11月のシーズン中しか用意していない」という神社も少なくありません。春夏や早秋に「前撮り」や「早参り」をする場合は、事前に神社へ在庫を確認しておきましょう。
  • お店やスタジオで購入する:
    「神社ではご祈祷せずにお参りだけにする」「シーズン外だけど写真撮影用に欲しい」という場合は、不二家などの菓子店、デパート、和菓子専門店などで購入できます。また、大手のフォトスタジオであれば、七五三プランの撮影特典として千歳飴(または撮影用ダミー)を用意してくれるケースがほとんどです。

なぜ着物を着るの? 三才・五才・七才の衣装に隠された意味

七五三で子どもたちが着る美しい着物。これは単なる「おめかし」ではなく、もともとは「子どもを病気や災いから守るための魔除け」としての意味を持っていました。また、年齢ごとに着る衣装のスタイルが異なるのにも、成長のステップに合わせた理由があります。

三才(女の子・男の子):「被布(ひふ)」で体を守る

3歳の子どもは、まだ体が小さく帯を締めるのが苦しいため、着物の上に「被布」というベストのような上着を重ねます。これには防寒の実用性だけでなく、幼い子どもを温かく包み込んで守るという意味があります。

五才(男の子):「袴(はかま)」で凛々しく

5歳の男の子は、着物の上に「羽織(はおり)」を羽織り、「袴」を穿きます。これによって、一歩「大人の男性」へと近づいたことを示し、周囲にその威厳と成長を披露するスタイルです。

七才(女の子):「帯(おび)」を締めて大人の仲間入り

7歳の女の子は、それまでの紐付きの幼児用着物を卒業し、大人と同じ四つ身の着物に「幅広の帯」をしっかりと締めます。これは、社会的に一人の自立した女性として認められるための格式高い装いです。


扇子や懐剣の意味とは? 男児の七五三小物のルーツを探る

5歳の男の子の和装には、普段見慣れない男児独特の「小物」がセットになっています。これらは武士の嗜み(たしなみ)や縁起担ぎがルーツとなっています。

扇子(末広・すえひろ)

男の子が手にする扇子は、広げると形が「末広がり」になることから、「これからの人生が末広がりに栄え、幸福が続きますように」という未来への繁栄を願うアイテムです。基本的には手で持つか、帯に挿しておきます。

懐剣(かいけん)

帯に挿す布製の短剣(護身用のシンボル)です。武家の男児が「自分の身は自分で守る」という強い意志と覚悟を持つために持たされました。七五三においては、「我が子に災いが降りかからないように」という、魔除けのお守りとしての意味が強く込められています。

羽織紐(はおりひも)や御守(おまもり)

羽織の胸元を固定する「羽織紐」は、結び目が簡単に解けないことから「固い絆」や「長寿」を意味します。また、帯から下げる四角いお守り袋も、我が子の道中の安全を神様に見守ってもらうための必需品です。


髪置き・袴着・帯解きとは? アイテムから学ぶ七五三の歴史

現代の七五三はひとまとめに行われていますが、その原型は平安時代から室町時代にかけて宮中や武家で行われていた「3つの別々の儀式」にあります。昔は乳幼児の生存率が低かったため、それぞれの節目を無事に迎えられたことを神様に感謝し、お祝いしました。

1. 髪置きの儀(かみおきのぎ・3歳)

昔は病気の予防などのため、3歳までは男女問わず髪を剃る習慣がありました。3歳を迎えると、ようやく髪を伸ばし始める「髪置きの儀」を行います。このとき、長寿を願って「白髪に見立てた綿帽子」を頭に載せる儀式が行われていました。

2. 袴着の儀(はかまぎのぎ・5歳)

男の子が初めて正装である袴を着用する儀式です。この儀式では、子どもを「碁盤(ごばん)の上」に立たせることが伝統でした。これには「囲碁の目のように、四方をしっかりと見据えて天下を取る男になってほしい」「自分の足でしっかり自立してほしい」という願いが込められています。

3. 帯解きの儀(おびときのぎ・7歳)

女の子が、着物に縫い付けられていた付け紐を外し、初めて大人と同じ「帯」を締め始める儀式です。これまでは「子ども」として守られていた存在から、一歩「大人の女性」として社会に認められるための、人生の大きな転換点となる儀式でした。


まとめ:アイテムの意味を知ると、七五三がもっと愛おしくなる

七五三の千歳飴や、少し窮屈そうな衣装、見慣れない小物たち。そのすべてに「どうか無事に、長く元気に生きてほしい」という、何百年も前から変わらない親の深い愛情が込められています。
今年の七五三は、ぜひお子様と一緒に「この飴にはね……」「そのお人形(小物)はね……」とお話をしながら、素敵な記念日を迎えてみてくださいね。

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