パートナー研修 | 着崩れ直し講習 議事録

着崩れ直し講習 議事録

2026.07.05 / 豊藤稲荷神社
日時2026年7月5日 場所豊藤稲荷神社
講師楠瀬結未(ヘアメイク歴 約19年/着付け歴 約10年) 主催安田勝寛(925studio / 365 kimono photo)
参加者パートナーカメラマン・研修生 計8名 形式講師による実演中心
補足動画(実演で伝えていない部分の共有)
▶ 研修動画ページ:https://365kimonophoto.com/partner-training/movies
今後、追加もあるため、こちらからご覧いただくのがおすすめです。
動画①男の子袴:十文字結びの作り方  https://www.loom.com/share/8b83e8120e46409987ec92b0746133e8
動画②草履の脱げない履き方  https://www.loom.com/share/4d19e734cfcd49a3a8f053a1eae69611

講習の目的

秋の七五三シーズンに向けた研修。カメラマンに着物の知識があるかどうかで、仕上がる写真は大きく変わる。正しい形を知らなければ着崩れに気づけず、そのまま写真に残ってしまう。写真は長く残るものなので、より良い一枚を残せるよう、正しい形と直し方を身につける。

七五三の撮影はスナップとは違い、着物を見る目が必要。SNSでも、襟合わせが逆になっていたり、襟元や裾が乱れたままの写真を見かけることがある。簡単に直せる部分も多いので、その直し方を実演で共有する。

MEMO 配布資料に各部の名称を記載。話の中で名称が多く出るので、分からなくなったら資料を見ながら聞くこと。秋のシーズン前に撮影前チェック表で再確認しておくと安心。

1共通の前提・考え方(全対象共通)

  • 着物に手を加えるときは、必ずお客様に一声かける(例:「両面テープで留めてよいですか」)。
  • 襟合わせが逆になっているのは絶対NG。左右が逆=縁起が悪い形になるため、見つけたら必ず直す/お客様にも伝える。
    • ご祖母様が着付けをされる際に多いケース。着付けをされた方に失礼のない言い回しを心がけ、「間違っている」とは言わない。「車移動で崩れたと思うので、ここだけ直しておきますね」といった声かけで直す。
  • 鏡は「枠内だけ」を写さない(左右が反転し、襟合わせが逆に見えるため)。後ろ姿を一緒に入れる・鏡の枠が写っているなど、「鏡に映った姿」だと分かる撮り方ならOK。※ここは確実に言い切れない部分もあるので、お客様の雰囲気を見て判断する。
  • 末広(扇子)は開かず、閉じたまま差すのがマナー。
  • 手を大きく上げるポーズ(バンザイ等)は着崩れの原因。脇から中が出てグチャグチャになり、あとから直せない。特にママ・7歳は一発で崩れるので、ポーズ指示のときに配慮する。
  • 着付師とカメラマンのダブルチェックが理想。チームで連携し、気づいた側が直す・共有できると仕上がりが安定する。
  • 子どもの着崩れよりママの着崩れを優先して見る。ママは崩れると直しが大変で、写真にも目立って写るため。

便利道具

  • 着物用両面テープ:普通の両面テープは着物にベタベタが残るので必ず着物用を使う。見えない位置に貼って襟合わせなどの固定ができ、以降の撮影が格段に楽になる。剥がしても綺麗に取れる。
  • 安全ピン:羽織紐のSカンなど金具が壊れたときの応急対応に。ロケ現場では特に持っておくと安心。
  • アメピン・スプレー:前髪・後れ毛・髪飾りの乱れ対応に。

2七歳(女児)の着崩れ直し

7歳は大人と同じ工程で手順が多く、崩れると直しにくい。主に崩れるのは、帯揚げの落ち・襟元・紐の飛び出し。

  • 飛び出した紐:帯の中に全部入れ込む。
  • 帯揚げ:ごちゃつきを隠す役割もある。綺麗にかぶせて、紐が見えない状態にする。
  • 襟(半襟):左右対称に。襟元が菱(ひし)形になるように整えると左右対称になる。おはしょり周りを引っ張って崩れると後から直せないため、強く引っ張り過ぎず、直せる範囲だけ整えて菱形を作る。見えない位置に両面テープを貼っておくと固定され撮影が楽。
  • 箱迫(はこせこ):斜めに差し込む。落ちやすいため、付属の匂い袋を紐に引っかけておくと、転がり落ちて紛失するのを防げる。
  • 末広(扇子):位置は襟のラインの延長線上(真っすぐではなく斜めに)。開く側を上にして、帯の上線に高さを揃えると見栄えが良い。扇子の紐の房の先が、しごきの下線と同じくらいの高さにくる長さにする。房がだらんとしていたら綺麗にくるくる巻いて、長さを整える。
  • しごき:後ろ左側で普通のリボン結び。更に、垂れている部分を裏から前に被せるように出しているだけなので、緩ければ結び直す。
  • 帯締め:帯と帯のちょうど上下真ん中に。着姿を支える一番大事な部分なので、緩ければ必ず結び直す(ここさえ締まっていれば全体が多少緩くても持ちこたえる)。房は上向きに(お祝い事)。
  • :開くと踏んで転ぶ危険。おはしょりと繋がっているので、おはしょりを引っ張ると直る(指3本分ほどおはしょりを残す/見せる)。
  • 帯締めの結び方:襟合わせと同じく「左を下・右を上」。この向きさえ合っていればできる。
重要 7歳で襟合わせが逆の場合、直すには一度外す必要があり手間だが、絶対にそのまま撮らずに着付けをし直す。上前・下前が逆のまま撮って編集で直すより、その場で着付けで直した方が早く綺麗。
7歳女の子 撮影前チェック
配布資料:7歳 女の子 撮影前チェック
最低限のチェック 細かな部分も書きましたが、お子様にご機嫌良く過ごしてもらい、笑顔を残していただくことが大切なので画像にある内容を最低限チェックしてもらえたら大丈夫です。

3三歳の着付け・着崩れ直し

3歳は工程が少ない。

着付けの手順

  1. キャミソール・肌着の上にタオルを1枚巻く(紐がお腹に食い込んで痛くならないように。着崩れ防止にもなる)。
  2. 襟合わせはお子様の左が上(向かって右側)。※365では被布用の襟を使用(本来は長襦袢)。
  3. 着物を着せ、裾はくるぶしの位置に合わせる。
  4. 衽(おくみ)線が右足の親指の位置に来るように合わせる(正面から見たときの要)。
  5. 腰紐を骨盤の上でグッと締める。結ぶと痛いので2度がけ。クロスさせるとロックがかかり崩れにくい。強さは指1本入るくらい。
  6. 襟を左右対称に(出す幅は首の長さ・顔立ち・柄の量で調整。柄が綺麗なら多めに)。
  7. 紐は3歳は2本でOK。締めた紐は引っかけて収める(下巻きは下→上、上巻きは上→下に入れると出てこない)。
仕上げのコツ 袖(脇)の前後を合わせ、後ろのシワを前へ・前のシワを後ろへ寄せて脇を揃えると、ピシッと決まる。ポリエステルは襦袢がピラつくので、両面テープを下側に1箇所留めると良い。

産着(祝い着)を使う場合

  • 祝い着は袖の下が閉じられていない。七五三に仕立て直す際は袖を閉じる+肩上げが必要。当日までに閉じておくのが本来。難しければ両面テープで数箇所留めれば裏返しにならない。事前に伝えておくことが大事。持ち物リストにも「産着は七五三用に仕立て直しを」と記載済み。

着崩れ直し

  • 被布の右胸あたりにある、お花のような形の飾り(紐と紐をひっかけて留める部分)を留め忘れているお客様が多いので、留めてあげる。
  • お腹まわりは被布で隠れるので、襟元まわりを中心に見る。
  • 背中心のずれは気にしなくてよい。前の衽線が右足の親指に来ているかを優先。緩ければ結び直す(指1本の目安)。
3歳 撮影前チェック
配布資料:3歳 男の子・女の子 撮影前チェック
最低限のチェック 細かな部分も書きましたが、お子様にご機嫌良く過ごしてもらい、笑顔を残していただくことが大切なので画像にある内容を最低限チェックしてもらえたら大丈夫です。

4五歳(男児)の着付け・着崩れ直し

補正はタオル1枚でOK。男児の袴は特に動いて崩れやすいが、一度脱ぐと着直してくれない可能性もあるため、ゼロから直すより手直し・時間勝負で。

着付けの手順(要点)

  1. 長襦袢+紐。襟の出し幅は女児より控えめ。子の顔立ちで調整。
  2. 着物を着せて袴。
  3. 角帯を巻く。大人は骨盤の下寄りだが子どもはそれより上(下げすぎない)。※お父さんは少し下げて巻くと、すっきり格好よく決まる。お父さんは着流し(袴なし)が多い。
  4. 袴:後ろでリボン状の土台を作り、角帯が1cmほど見える高さで合わせ、土台に引っかけて落ちないように。
  5. 袴の紐に着物をひっかけてあえて出すのは、十文字が上がってこないための固定用(失敗ではない)。

羽織・小物

  • 羽織は襟を半分に折るのが正解。
  • 羽織紐はSカンで留め、指でSカンをギュッと閉じると外れにくい。金具が壊れることもあるので安全ピンを携行。
  • 十文字結びは絶対に体の真ん中に。菱形の延長線上に。形は横が長く縦が短い。引っかけているだけで取れやすい。→ 結び方は動画①で共有
  • 懐剣・末広(扇子):角帯と袴の間に、襟の延長線上に斜めに差す。扇子が内側。

着崩れ直し

  • 裾が落ちる:階段前にママ(またはロングスカートの要領で本人)に持ってもらう。下がったら袴を持って上げる。緩ければ結び直す。
  • 男児はよく触って崩すことが多い。懐剣の紐やお守りなどあまりに崩れたら小物(扇子、懐剣、お守り)は外してOK(袴で見えなくなる)。車移動時は末広等を差さずママに預け、現地で差す。
  • 懐剣:着付師が近くにいたらなおしてもらう。引っかけ直す/Uピンで対応。花状の飾り結びは直しが大変なので、外す判断も。
5歳男の子 撮影前チェック
配布資料:5歳 男の子 撮影前チェック
最低限のチェック 細かな部分も書きましたが、お子様にご機嫌良く過ごしてもらい、笑顔を残していただくことが大切なので画像にある内容を最低限チェックしてもらえたら大丈夫です。

5ママ(母親)着物の着崩れ直し

ママの着崩れは直しが大変。写真でも目立つため、特に注意して見る必要がある。

  • 帯締め:帯と帯の真ん中が綺麗。抱っこで下がりやすいため、なるべくパパやご家族様に抱っこをお願いし、ママ自身に直していただく。抱っこ等で紐が取れやすい・お祝い事のため先を上に向けて入れ込む。
  • 襟合わせ:襟合わせ・帯揚げの中心・帯締めの中心が一直線に。
  • 帯揚げ:見せ具合は年齢による(七五三の母世代は控えめ/振袖はたっぷり/祖母世代はほぼ見せない)。出たら帯板より内側に入れ込む。
  • お太鼓・帯まわり:帯は全部繋がっているので、ねじれ・シワは引っ張って直せる。後ろ姿を撮るなら曲がり・四角の形を確認。
  • 袖の後ろ側(振り)が前にきて見えている場合は後ろに戻す。
  • 末広は帯の中(大人)。お客様の希望でそのまま差している場合はそれに合わせる。
  • 髪の乱れ:目や顔に髪の毛がかからないように注意する。撮影前に前髪や顔まわりにヘアスプレーをしておくと崩れにくい(薬局にある小さなものでOK)。他にもアメピン・くし・前髪グルー・鏡を持っていると便利。
補足 優先順位としては、お子様のコンディションや撮影の雰囲気の方を大切にしていただき、上記内容はできる範囲でお願いします。
ママ着物 撮影前チェック
配布資料:ママ着物 撮影前チェック
最低限のチェック 細かな部分も書きましたが、お子様にご機嫌良く過ごしてもらい、笑顔を残していただくことが大切なので画像にある内容を最低限チェックしてもらえたら大丈夫です。

6お宮参り 祝い着(産着)の着せ方

  • 袖から手を通し、祝い着の紐を袖に通して両側を通す。(長襦袢がある場合は、長襦袢の紐だけを通し、着物の紐は袖に通さずに巻いたほうが、柄がきれいに見える)
  • 赤ちゃんの抱き方:首を支える(縦抱きでママの腕が疲れる)。スタイ・帽子は産着をかける前に着けておき、産着を掛けたらすぐ撮影へ。
  • 両端はパパにも手伝ってもらって持つ。片側は肩に、もう片側は赤ちゃんのギリギリまで。後ろでギュッと締めないと落ちる。
  • 結びは必ず横向き。縦結びは縁起が悪いので避ける。お守り等があれば結ぶ前に紐へ通してぶら下げる。
  • 立ち位置・柄の向き:基本、家族写真は向かってパパが左、ママが右。ママが着物を着ているときは特に、ママが向かって右の方が着物の柄が綺麗に見える(左だと着物の裏側が見えやすくなる)。そのため、赤ちゃんはパパママの間(中心)にくるように、ママの右手側(向かって左)に抱っこをしてもらう。ただし、赤ちゃんの向き癖があったり、ママの抱っこしやすい方がある場合は、お客様と相談の上決める。
  • 着せる順番は、帽子 → スタイ → 産着(帽子の紐はスタイの裏に隠す)。
  • 抱っこの慣習:祖父母様がいらっしゃる場合、父方のお母様がお宮参りの赤ちゃんを抱っこする慣習があり、知っている(はじめにお声かけする)と信頼してもらいやすい。ただ、最近は気にされない方も多いため、産後のママの体調を最優先に、ご両家様と話し合った上で決める。

7着物の素材(正絹/ポリエステル)と扱い

  • ポリエステル:洗える・扱いやすい。ネットレンタルに多い。汚れても対応しやすい。
  • 正絹(しょうけん=シルク):質感・色合いが良いが扱いが大変。水濡れ厳禁(濡れると染みに)。高いものは30万円ほどの場合も。
    • 手水舎で濡らさないよう配慮(ママに後ろで袖を持ってもらう/やっているフリで濡らさない等)。
    • ツヤがあってもポリとは限らない。判別できなければ正絹と同じ丁寧な扱いを。
  • 座りシーン:フェイスタオルをお尻の下に敷くなど、汚れないように予防・配慮をする。砂や汚れが付かないように。
  • 着物をできるだけ濡らさないことが理想ですが、お子様が水を触りたがるのを無理に止めてご機嫌が崩れると撮影できないので、スムーズさを優先しつつ臨機応変な対応をする。

参考資料(配布物)

ロケ撮影であると便利なもの(8点)
着物両面テープ/フェイスタオル(クロス・タオル)/櫛・アメピン・スプレー/安全ピン/腰紐/鏡/前髪グルー/着物クリップ
※前髪グルーは肌の弱さを確認・着物に付かないよう注意・お客様自身に付けてもらう
※スプレーをかけるときは、必ずクロスやタオルを掛けて着物を傷めないようにする


参考商品:半襟用両面テープ(あづま姿 1cm×20m 日本製)
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ロケ撮影の持ち物
配布資料:ロケーション撮影で持っていると便利なもの
半襟用両面テープ
参考商品:半襟用両面テープ(あづま姿)
前髪グルー
参考商品:前髪グルー
本議事録は当日の実演音声(自動文字起こし)と配布資料をもとに作成。聞き取り由来の不確かな箇所は正しい着付け用語に整えて記載しています。その後、365メンバーおよび安田の最終チェックを行い提供しています。修正・追記がある場合には、今後追記・更新していきます。
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